2023.08.08

  • ご案内

夏季休暇のお知らせ

弊社では誠に勝手ながら下記の日程を夏季休暇とさせていただきます。

■夏季休暇期間

2023年8月11日(金)~2023年8月20日(日)

休暇期間中にいただきましたお問い合わせやメールについては、2023年8月21日(月)以降に順次回答させていただきます。
ご不便をおかけしますが何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。

2023.07.13

  • 事業再生
  • 経営改善

声のトーンで経営者の心理状況を感じる

こんにちは、中小企業診断士の木戸です。

東京商工リサーチの調査によると2023年1月から6月までの倒産件数は4042件であり、コロナ禍での資金繰り支援によって減少していた倒産件数が大幅に上向き傾向にシフトしました。

昨年から倒産件数は増加基調となっていたのですが、今年の上期で大幅に増加する結果となっています。

弊社へご相談に来られる企業様も資金繰りが深刻な企業が多く、早急にリスケを金融機関へ相談するケースが続いています。

背景には新型コロナ禍での減収・減益や昨年からの原油価格・物価高騰、人手不足・人件費上昇などが考えられますが、コロナ禍での3年超にどのような経営をしてきたのか、と疑問を持つケースも少なくありません。

既存事業の売上が減少し、赤字となり、資金繰りが窮屈な状態に手を打たないまま、新事業へ投資したり、新事業をウルトラCとして改善に取り組んだりと再生に取り組む中小・零細企業の戦略としては体力的にキツイ判断をしています。

その瞬間は、隣の芝が青く見え、新事業に飛びつきたくなる気持ちはわかりますが、まずは既存事業を何としてでも立て直すことに全力で取り組むべきです。

拠点や体制の見直しによる大幅な固定費の削減、今までは当たり前にやっていた販売戦略の見直しなど、何としても既存事業の収支を黒字化していかなければなりません。

厳しい言い方かもしれませんが、既存事業を立て直せない人が新事業をやっても収益化できるとは思えません。

とはいえ、始めてしまったものは仕方ありませんので、今後の方針を経営者と一緒に考えていくと、少し不安が解消されたのか、声のトーンが明るくなることが多いです。

弊社に相談しただけでは何も変わらないのですが、誰かに相談し、方向性や改善策が見えてくるだけでも資金繰りの悩みが小さくなれば、夜もしっかりと寝れ、事業に集中してもらえるのではないかと考えています。

現在の経済状況を考えるとほっておいて事業が良くなることは考えにくいですので、ポストコロナを見据えて、経営改善に取り組んでいきましょう。

中小企業診断士 木戸貴也

2023.06.01

  • ご案内

事業の拡大のため和歌山事務所を新規開設いたします。

拝啓

 

  時下ますますご清祥の段、お慶び申し上げます
  平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます

  さて 弊社ではかねてより和歌山支店の開設を準備しておりましたが、来る6月1日を
  もちまして下記のとおり業務を開始する運びとなりました

  つきましては今後皆様のご期待に添うべく社員一同誠心誠意努力いたす所存でございます
  ので、何卒倍旧のご支援お引立てを賜りますようお願い申し上げます

敬具

令和5年5月吉日
株式会社フラッグシップ経営
代表取締役  長尾 康行

名称    株式会社フラッグシップ経営 和歌山支店
住所    640‐8392 和歌山県和歌山市中之島1518
      中之島801ビル 12階
TEL    073-499-1170
FAX    073-499-1171
業務開始  令和5年6月1日
アクセス  JR阪和線   和歌山駅より徒歩12分
      JR紀勢本線  紀和駅より徒歩8分
      阪和自動車道 和歌山ICより8分

2023.05.26

  • バンクミーティング
  • リスケジュール
  • 経営改善
  • 資金繰り

リスケ状態から間もなく脱する2社の事例

皆さん、こんにちは。株式会社フラッグシップ経営代表、中小企業診断士の長尾です。

 

新型コロナ融資の返済がこの夏から本格化するということもあり、弊社にも多くの資金繰りに関する相談が寄せられています。

 

赤字を借入金で補い、その間に経営改善を行ってこなかった会社は今後、過剰債務と赤字、物価高の三重苦との戦いになるでしょう。

現実的には元本返済ゼロのリスケを要請し、その間に経営改善を行うことになるケースがほとんどかと思いますが、経営改善に耐えうる余力があるのか、また経営者にその覚悟があるのかがその企業が生き残るのかそうでないかの分かれ目かと思います。

 

一方で弊社が過去に経営改善計画を策定し、リスケジュールの支援を行った先を2社訪問してきましたが、2社共に経営改善に取り組んでいただけていました。

 

1社目・・・縫製工場

加工単価が低く、利益が出にくい費用構造になっていた。外国人技能実習生を数多く採用し、単価よりも受注量を確保することで収益を確保しようとしていたが、元本返済までカバーできずリスケジュールの要請を行った。(今から3年前です)

経営改善計画では受注量よりも加工単価の向上を重視し、価格交渉を行うことや外国人技能実習生の教育を行い、検品は日本人が対応することなどを盛り込みました。取り組んだ結果が数字として出てきたので、この7月までに新計画を完成させ、バンクミーティングを経てリスケ状態から抜ける予定です。

 

2社目・・・子供服販売

複数店舗を運営されていたが、収益の改善が見込むことのできない不採算店舗は閉鎖し、4店舗から2店舗へと事業規模を縮小しました。過剰在庫もセールやネット販売で現金化するなどを経営改善計画に盛り込みました。(こちらも今から3年前です)

現在は店舗数が半分になったにもかかわらず、4店舗あった時の売上に近い水準まで売り上げを増加させた。固定費の削減や利益率の改善も相まって、収益性を大幅に改善することに成功しました。1社目と同様に新計画を策定し、こちらも7月にはバンクミーティングを行い、リスケ状態から抜け出す予定です。

 

 

この2社様は経営改善計画書の内容に対して真摯に向き合っていた(自分が率先して現場に出るだけでなく、営業や仕入れ等も責任をもってやっていた)結果が出たのだと思います。

 

今現在、経営や資金繰りに苦しんでいる事業者様も大勢いらっしゃるかと思いますが、我々のような専門家と一緒に、覚悟をもって真剣に経営に取り組んでいけば道は開けるということを強く想ってください

 

「まだいけるだろう」「また、融資を受ければ何とかなるだろう」ではなく、自分の力で業績を改善させる、利益を出すという覚悟や情熱、行動力をもって難局を乗り切っていただければと思います。

 

私どもにも経営改善のノウハウは多数ございますので、何なりとご相談ください。

2023.05.11

  • 事業再生
  • 経営改善

中小企業の経営改善・事業再生 その3

こんにちは、中小企業診断士の木戸です。全3回の中小企業の経営改善・事業再生シリーズの最終回です。今回は、具体的な経営改善の事例をご紹介します。

3.具体的な経営改善の例

(1)製缶板金加工業の事例

年商規模を大きく超える過大な設備投資や無計画な事業承継などにより、経営が不安定となり、資金繰りが非常に厳しい状況でした。

金融機関への返済は遅れることなく行っていましたが、ご相談を受けた時には「今月末の支払いが厳しい」という状況でしたので、当日中にメインバンクの担当者へ相談し、早急なリスケジュールにも応じていただけました。

その後、経営改善計画を代表者と何度も打ち合わせを行い、約3カ月かけて作成し、バンクミーティングにより、計画説明とリスケジュールの期間延長を依頼しました。

計画策定後、代表者が中心となって徹底した固定費の削減、生産性向上や受注価格の見直しによる利益率の改善、そして自社HPでの販路開拓や既存取引先への営業によって売上高を増加させたことで、資金繰りは劇的に改善され、十分に利益計上できるようになりました。

事業承継も問題なく進み、金融機関への返済も間もなく開始できる状況まで経営改善が進んでいます。

まだまだ経営改善の道中ですが、経営改善のステップを忠実に実行した経営改善の例だと言えます。

 

(2)食品卸売業の事例

市場規模が年々縮小している分野であり、業績は長期的に低迷していたため、借入金の返済を新たな借入金で返済していました。

売上高が減少する中で、借入金が増加していたため、年商対比での借入金が非常に過大となっており、金融機関からの追加融資を受けることが出来なくなっていました。

年商1億円超ですが、預金残高は数十万円であり、資金繰りが非常に切迫していました。この事例も当月から金融機関に対してリスケジュールの交渉を行い、経営改善計画書を作成しました。

売上高が減少している中で仕入高は変わっておらず、年々在庫・冷凍保管料が増加し、利益率や資金繰りを圧迫していたことから、真っ先に在庫の圧縮を行いました。

仕入を抑制し、既存の在庫を販売することを約半年続けると大幅に在庫を削減でき、冷凍保管料も減少し、少額ですが利益計上できるようになりました。

この事例も経営改善のステップに従って経営改善を実行している例です。

いまだ、利益率の改善や売上高の増加は十分に行えていない状況ですが、預金残高も月商1か月分程度を確保できており、資金繰りは大幅に改善しています。

4.専門家へは早めに相談を

まずは自分でやってみてダメなら専門家へ相談することも悪くはないのですが、後からご相談をいただいたときには手遅れとなることも少なくありません。

「あと数か月早く相談を受けていれば、もっといい選択肢があったのに」というケースは多くありますので、少しでも迷われたときなどは専門家へ相談されることをお勧めします。