経営改善、事業再生に向き合うには多くの不安や疑問が出てきます。
このまま事業が継続できるのか、従業員や顧客に対する情報公開、
金融機関の反応など、置かれているステージによってその内容も様々です。
ここでは、事業者様から寄せられる不安や疑問について
Q&A形式にてまとめました。
- Q.赤字が続いており、経営改善の必要性を感じていますがどのように進めてよいのか分かりません。
何から始めるべきでしょうか。 - A.まずは現状把握を行いましょう。業績(損益計算書)が悪いのか、財務状態(貸借対照表)が悪いのか、それとも両方悪いのかを的確に見極める必要があります。特に財務状態が悪い場合は金融機関や取引先との交渉も必要になるケースがあります。まずは決算書の数値面から表面上の問題を確認するところから始めましょう。
- Q.事業規模に対して利益が少なすぎるという指摘を顧問税理士から受けました。
利益を増加させるには時間がかかります。どのように対処すべきでしょうか。 - A.推測ですが顧問税理士の先生の指摘は2点あるのかと思います。
1点目は会社が保有する総資産に対して利益が少ないという指摘で、2点目は固定経費が多すぎるという指摘です。
総資産に対しては在庫の圧縮、遊休資産の処分、保険や会員権の解約や現金化などを行い、会社が保有する資産を圧縮していきます。いわゆる資産のスリム化です。固定経費に対しては販売費及び一般管理費の中で無駄や削減ポイントがないか科目ごとに徹底的に検証します。場合のよっては不採算事業を切り捨てることで大幅な固定費の削減が可能になる場合もあります。
- Q.金融機関に対してリスケジュールを依頼する際に気を付けることは何ですか。
- A.対金融機関という側面だけで申し上げるなら「公平性」と「透明性」が重要です。
公平性とは各金融機関に対して同じ条件でリスケジュールを依頼することです。例えばA銀行の返済額は少額であるためリスケジュールを要請せず、返済額の大きいB銀行に対してはリスケジュールを要請するという行為は公平性を欠いています。また、リスケジュールを開始するタイミングをズラすことも公平性を欠いています。C銀行は2月から返済を止め、D銀行は4月から返済を止めるというようなケースです。実務上、元本返済を止める時期がズレてしまうケースもありますが、そのような場合は公平性を担保するために調整を図ることもあります。
また、透明性とはすべての情報をすべての金融機関に公開することです。保証協会も含めた金融機関同士も情報を共有して、リスケジュールを進めます。メインバンクを中心に相談をしていきますが、全金融機関に対して同じ情報を提供しましょう。
- Q.現在リスケジュール中ですが、経営改善に取り組んだ結果が少しずつ出てきて元本返済を開始しようかと
考えています。ただ、当初の返済額を約束するほどの財務状態ではありません。
元本返済はいくらから始めるべきでしょうか。 - A.元本返済を始めたからといってすぐに資金調達ができるわけではありませんので、返済額の算出は慎重に行うべきかと思います。中小企業活性化協議会や一般的に経営改善や事業再生の現場で浸透している返済額の算出方法は、事業で生み出したキャッシュフロー(当期純利益+減価償却費)の80%を返済に充当する方法です。しかし、これは絶対ではありません。向こう1年の資金繰り表を作成し、無理のない範囲で返済額を提示していくことから始めましょう。
- Q.リスケジュールを行っていることは従業員や取引先、リース会社に知られることはありますか。
- A.一般的には周りに知られることはありませんが、経理責任者など従業員の一部にはどうしても知られてしまいます。
それ以外の一般の従業員には、情報が洩れることはありません。これはリース会社や取引先に対しても同様ですが、信用調査から情報が洩れることがごく稀にあります。長期間に渡って元本返済をとめていると長期借入金の額が同額で推移しますので、信用調査会社から情報が洩れることはあります。ですが、社内からの漏洩が一番多いので、対策は事前に施しましょう。
- Q.従業員にリスケジュールを説明すべきでしょうか。
- A.リスケジュールを行っていることを従業員に包む隠さず話すことについては一概に良いとも悪いとも言えません。
しかし、リスケジュールについてはさておき、会社が置かれている状況については丁寧に説明すべきです。特に業績(損益計算書)については従業員の協力が不可欠です。売上や利益の増加、経費の削減については幹部や管理職を中心にプロジェクトチームを立ち上げるべきでしょう。従業員の協力なくして経営改善は成り立たないことだけは覚えておきましょう。
- Q.経営者責任について
- A.リスケジュールを要請する際には、例え直接的な要因が外部環境であったとしても経営者としての責任は感じるべきです。その上で、まずは利益を確保するために役員報酬を減額すべきです。また、交際費、通信費、会議費、雑費などにおいても経営者の努力に応じて削減できる経費は徹底的に削減しましょう。また、現金化や処分できる資産は速やかに実行に移しましょう。
- Q.資金繰りが脆弱であるため、資金繰り表を作成し、今後の資金の流れを予想したいのですが、
その方法が分かりません。どうすれば良いでしょうか。 - A.資金繰りの予想については楽観的ではダメですし、必要以上に悲観的である必要もありません。現実的な予想を行うことが求められます。具体的には入金は予想よりもやや少なく(厳しく)、出金は予想よりもやや多く(緩く)見積もっておくとよいでしょう。また、本業の収支と本業外の収支を分けて考えましょう。
- Q.コンサルタントを活用したことがありませんが、どのように活用すべきでしょうか。
- A.外部のコンサルタントといきなり顧問契約を結ぶのではなく、慎重に検討した方が良いと当社は考えています。コンサルティングの内容やスキルだけでなく、人間性や社員との親和性などを見極めてから契約した方がいち早く成果が出るからです。その意味では、現在、抱えているお悩みを相談しながら当社コンサルタントの人間性やコンサルティング能力やスキルを見極めていただければと思います。当社にお越しいただくかZOOMでの面談が可能です。
- Q.無料経営相談はどのような形で行うのですか?
- A.無料経営相談は電話、メール、ZOOMに加え当社に来社していただくことも可能です。
また、自社への訪問を希望する場合も対応します。その際は旅費のみ実費で請求させていただきます。決算書や資金繰り表などのデータがあるとスムーズに対応できますので、無料経営相談の際はご用意ください。
- Q.どのようなコンサルティングをしているのですか?
- A.企業ごとに置かれている経営環境は様々ですので、まずは業績面、財務面、営業面、組織面について現状を把握します。現状把握は経営者様や幹部の皆様へのヒアリング、決算書、現場訪問、給与や役職などの確認によって行います。次に問題が起こっている原因を抽出し、その上で改善策を提示します。当社では丁寧な現状分析を行うことで1社1社に寄り添ったコンサルティングを行います。
- Q.赤字体質が慢性的になっていますが、どのように黒字化を図りますか?
- A.赤字体質から脱却するには固定費の削減、利益率の改善、売上げアップの順番に沿って行うことが大半です。赤字体質が続いているということは資金的にも厳しい状況かと思いますので、まずは固定費を十分に削減することを目指します。不採算部門がある場合は撤退も視野に入れることもあります。
- Q.地方の企業でも訪問してもらえるのでしょうか?
- A.はい、もちろん訪問いたします。
当社は元々全国にクライアントを抱える事務所ですので、ご安心ください。また、最近は格安飛行機なども普及していますので交通費も比較的安く済むように工夫して訪問いたします。また、ZOOMを活用したオンラインでのご支援も対応できます。
- Q.経営革新等支援機関とありますがどういう意味なのでしょうか?
- A.当社は近畿経済産業局、近畿財務局から「経営革新等支援機関」として認定されています。
経営革新等支援機関として認定されるには国が定めた財務改善や経営改善に必要な能力や実績を満たしていることが条件です。経営コンサルタントは名乗れば誰でもなることはできますが、当社の代表は中小企業診断士という国家資格に加え、経営革新等支援機関としていわば国からお墨付きをいただいたコンサルティング事務所といえます。
- Q.訪問いたいただいた際に、どのような形でコンサルティングを受けるのでしょうか?
- A.経営者や幹部の皆様と経営改善プロジェクトチームを組成し、会議を行います。当社の希望としては経営者だけでなく役員や役職の皆様と方向性を共有したいと考えています。また財務的な話については非常にナーバスな問題ですので経営者と経理担当者のみで打ち合わせさせていただくこともあります。