2023.11.01

  • 経営改善
  • 経営者の姿勢

経営を学び、地道な改善を継続しろ

皆様、こんにちは。フラッグシップ経営の長尾です。めっきり朝晩は涼しく(肌寒く)なってきましたね。

 

 

一方で日中は25度を超える夏日になるなど服装も難しい季節でもあります。体調を壊しやすい季節なので、皆様もお気を付けください。体調管理も仕事です。

 

 

さて、今回のコラムのタイトルがやや強く、ここからも私の性格を垣間見ることができますね。

 

 

夏過ぎから資金繰りに窮する企業様の相談件数が飛躍的に増加し、「※経営改善計画策定支援事業」を活用しながら1社ずつ寄り添って支援をしているところでございます。

 

※経営改善計画策定支援事業とは・・・

 

 

しかし、経営改善支援の最前線に立つたびに思うのですが、中小企業の経営者は本当に利益を出す気があるのかと怒りたくなります。

 

 

言い訳のすべてが外部環境で、経営者として学ぶべきことも一切学ばずにただ目の前の仕事をこなしています。

 

 

経営の勉強をするか、経営者をやめるかのどちらかの選択をしないと、従業員や取引先が不幸になるとは少し言い過ぎでしょうか。

 

 

ですが、業績を改善したいのであれば下記のことを最低限学ぶべきですし、自社の状況について把握すべきです。

(他にもまだ学ぶべきことは沢山ありますがまずは業績改善という意味で)

 

 

・利益率や利幅

・損益分岐点

・売上アップ4つの方法(顧客数を増やす、平均取引量のアップ、購買頻度のアップ、単価アップ)

・価格設定

・固定費(販売費及び一般管理費)の最小化

・資金繰り、キャッシュサイクルのメカニズム

・レバレッジ(2%の金利で資金調達したなら2%以上の利益を出さなければならない)

・サンクコスト

 

 

各項目についての説明はまたの機会に譲りますが、センスがないのにセンスで経営して負ける経営者が多すぎるので、地道に学ぶ習慣をつけた経営者が勝つということをお伝えしたいです。

 

 

中小企業には厳しい外部環境が続くことは百も承知ですが、だからこそ勉強した企業が勝ちます。

 

 

また、大きな話に食いつくのではなく、地道に勉強しながら実践に落とし込むことが劇的な成果を得ることができる最短ルートだということを肝に銘じましょう。

 

 

1日1%の改善を70日続ければ2倍になります。

(1×1.01×1.01・・・を70回Excelでやってみてください)

 

ほんの小さな穴でも船が沈むことを忘れないでください。

 

「偉そうに」と思われるかもしれませんが、私自身は経営者になってからその姿勢を貫いており、この人になら偉そうに言われても仕方がないという決算内容になっています。

 

わが社の決算書を見たい、わが社と学びたいという経営者や企業様はいつでも歓迎いたします。

 

年末が近づくにつれ、気が緩みがちになりますが、気を引き締めて経営に向き合っていきましょう。

2023.10.11

  • 経営改善
  • 資金繰り

キャッシュフロー計算書を読み解く

こんにちは、中小企業診断士の杉本です。

今回はキャッシュフロー計算書についてお話します。

 

企業の決算書には、財務三表と呼ばれる特に重要な書類があり、そのうちの1つがキャッシュフロー計算書です。

毎年申告した決算書類の中に綴られているのを見たことがある方も多いかと思います。

【例:キャッシュフロー計算書】
キャッシュフロー計算書

 

キャッシュフロー計算書は、企業の現預金の増減を⓵営業活動、②投資活動、③財務活動の3つの活動に分けて示します。

 

①営業活動によるキャッシュフロー
 営業活動キャッシュフローは、仕入や売上、販売活動、一般管理などの企業の本業の活動による資金の増減を表します。

 

②投資活動によるキャッシュフロー
 投資活動キャッシュフローは、企業の設備投資や有価証券の売買などの、将来の利益のための投資活動による資金の増減を表したものです。設備投資を行えばマイナス、資産を売却すればプラスとなります。

 

③財務活動によるキャッシュフロー
 財務活動キャッシュフローは、金融機関からの借入や返済などの資金の調達・返済に関する資金の増減を表します。借入を行えばプラス、返済を行えばマイナスとなり、最終的にマイナスであれば、調達より返済が多かったことを示しています。

 

キャッシュフロー計算書の仕組みについての説明は省略しますが、着目すべき点をいくつかご紹介します。

 

1:営業活動によるキャッシュフローがプラスであるか
 前述しましたが、営業キャッシュフローは本業での資金の増減です。営業キャッシュフローがマイナスであれば本業で資金が減っていることになります。支払や入金サイトの関係で一時的にマイナスになる場合もあるので、マイナスの理由の説明ができるのであれば単年のマイナスはある程度問題ないかと思われます。しかし、2期3期と続くようでは本業で利益が出ておらず資金も稼げていない状態であるため大変危険であり、この場合は金融機関からの借入で資金を充当していることが多いです。上の例では、令和4年3月期の営業キャッシュフローの赤字を借入で補っています。

 

2:投資活動によるキャッシュフローのマイナス額をどの活動が賄っているか
 資産を購入すると資金が流出するため、基本的には投資キャッシュフローはマイナスとなりますが、その際のマイナスをどの活動が賄っているか注意が必要です。営業活動のプラスの範囲内や過去の利益によるものであれば問題ないですが、財務キャッシュフローのプラス(金融機関からの借入)で賄っている場合は、翌期以降はその借入の返済に耐えうる営業キャッシュフローを生み出さねばなりません。上の例では、令和3年3月期に2,000千円の投資を行ったにもかかわらず、令和4年3月期では営業キャッシュフローがマイナスとなってしまっており、投資による利益を生み出せていない状態です。

 

3:フリーキャッシュフロー(営業+投資活動によるキャッシュフロー)
 上記を踏まえると、フリーキャッシュフロー(営業+投資キャッシュフロー)がプラスであるかが重要となります。フリーキャッシュフローがプラスであれば、少しずつでも借入金を減らして行くことができます。逆にフリーキャッシュフローのマイナスが続けば、借入を増やさなければ資金が底を尽き、いずれは倒産してしまいます。 決算書類のうち損益計算書にばかり目が行きがちですが、キャッシュフロー計算書を読み解くことで自社の資金がどの活動で増減しているのかを把握することができます。直近3期程度のキャッシュフロー計算書を比較し、自社の傾向を掴み、将来の資金難や倒産といった最悪のケースを回避しましょう。

 

中小企業診断士 杉本貴弘

2023.08.22

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  • 資金繰り

無知な経営者が陥る負の連鎖

皆さん、こんにちは。フラッグシップ経営代表、中小企業診断士の長尾です。

 

ここ数か月、本当に経営相談が増えました。

 

すべての案件が資金繰りの悪化で、その大半が資金ショート目前という段階です。

 

業種や規模は様々ですが、状況としては下記のような【負の連鎖】がどの企業にも当てはまります。

 

 

【負の連鎖】

損益の悪化→資金調達→過剰債務→損益はまだ改善されず→資金調達→過剰財務に拍車がかかる→損益はまだ改善されず→融資拒否→リスケ→ファクタリング・消費者金融の活用→税金・社会保険の滞納→当社への経営相談

 

 

正直、このタイミングで相談に来られてもほとんど説教で終わります。

 

 

「経営者の資質が全くない」「この状況でできることなどほとんどない」そう伝えます。

 

多くの経営者が陥ってしまうこの【負の連鎖】はなぜ起こってしまうのか。

 

損益の問題を直視せず、収益改善に取り組まず、安易に赤字を補填する方法を考えるその思考回路に問題があるのではと思っています。

 

例えば、赤字で資金繰りが悪化した時に「なんとか黒字にしよう」ではなく、まず「融資を受けよう」と考えるのです。

 

経営をしているとそういう時もあるかと思いますが、融資を受けた後でも良いので「黒字化させよう」と考える経営者はほとんどいません。

 

融資により資金繰りが改善されたため赤字の話は頭の中からなくなってしまいます。

 

まさに「のど元過ぎれば・・・」です。

 

残念なことにこの考え方は過剰債務になり、債務超過になり融資を断られるまで延々と続きます。

 

そして、金融機関との関係性が悪化してからファクタリングの活用や税金等の滞納が始まります。

 

この時点でも「黒字にする」という動きはほとんどありません。

 

赤字の垂れ流しを続けたまま、金策に走り回り、それも尽きてから専門家に相談するというのが共通の行動パターンです。

 

損益の問題(赤字)に対しては損益の改善という切り口でアプローチするのは当たり前なのですが、それをするのには相当なエネルギーが必要なので、資金を集めるというある意味において楽な道に逃げてしまうのです。

 

損益の改善には経費の見直しや仕入先への交渉、お客様へ訪問、地道な営業、値上げ交渉など時間も労力も費やす必要があります。

 

また、エネルギーを費やしても結果が出ないかもしれませんが、それでも継続しなければなりません。

 

数百円や数パーセントの改善を継続するのは大変なことですが、そこに対して真摯に取り組み続けるのが優秀な経営者です。

 

無知な経営者が学ばずに経営をすると多くの割合で【負の連鎖】に陥ります。

 

経営を学ぶ前に商売(利益の出し方)を学んでほしいと切に思います。

 

しかし、それでも見捨てることができないのが私の性分です。

 

相談に来られた以上、何とかしなければなりませんね。

2023.08.08

  • ご案内

夏季休暇のお知らせ

弊社では誠に勝手ながら下記の日程を夏季休暇とさせていただきます。

■夏季休暇期間

2023年8月11日(金)~2023年8月20日(日)

休暇期間中にいただきましたお問い合わせやメールについては、2023年8月21日(月)以降に順次回答させていただきます。
ご不便をおかけしますが何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。

2023.07.13

  • 事業再生
  • 経営改善

声のトーンで経営者の心理状況を感じる

こんにちは、中小企業診断士の木戸です。

東京商工リサーチの調査によると2023年1月から6月までの倒産件数は4042件であり、コロナ禍での資金繰り支援によって減少していた倒産件数が大幅に上向き傾向にシフトしました。

昨年から倒産件数は増加基調となっていたのですが、今年の上期で大幅に増加する結果となっています。

弊社へご相談に来られる企業様も資金繰りが深刻な企業が多く、早急にリスケを金融機関へ相談するケースが続いています。

背景には新型コロナ禍での減収・減益や昨年からの原油価格・物価高騰、人手不足・人件費上昇などが考えられますが、コロナ禍での3年超にどのような経営をしてきたのか、と疑問を持つケースも少なくありません。

既存事業の売上が減少し、赤字となり、資金繰りが窮屈な状態に手を打たないまま、新事業へ投資したり、新事業をウルトラCとして改善に取り組んだりと再生に取り組む中小・零細企業の戦略としては体力的にキツイ判断をしています。

その瞬間は、隣の芝が青く見え、新事業に飛びつきたくなる気持ちはわかりますが、まずは既存事業を何としてでも立て直すことに全力で取り組むべきです。

拠点や体制の見直しによる大幅な固定費の削減、今までは当たり前にやっていた販売戦略の見直しなど、何としても既存事業の収支を黒字化していかなければなりません。

厳しい言い方かもしれませんが、既存事業を立て直せない人が新事業をやっても収益化できるとは思えません。

とはいえ、始めてしまったものは仕方ありませんので、今後の方針を経営者と一緒に考えていくと、少し不安が解消されたのか、声のトーンが明るくなることが多いです。

弊社に相談しただけでは何も変わらないのですが、誰かに相談し、方向性や改善策が見えてくるだけでも資金繰りの悩みが小さくなれば、夜もしっかりと寝れ、事業に集中してもらえるのではないかと考えています。

現在の経済状況を考えるとほっておいて事業が良くなることは考えにくいですので、ポストコロナを見据えて、経営改善に取り組んでいきましょう。

中小企業診断士 木戸貴也