2025.01.06

  • ご案内

新年のご挨拶

拝啓

新春の候、皆様におかれましてはますますご健勝のこととお喜び申し上げます。

旧年中は格別のお引き立てを賜り、心より御礼申し上げます。

 

本年は巳(へび)年でございます。蛇は成長する度に脱皮を繰り返し、新たな姿で進化する生き物です。いわば再生や復活の象徴で、神の使いとも言われております。

当社も巳(へび)年の意味になぞらえ、これまでの歩みを土台に、新たな挑戦と変化を恐れず、さらなる飛躍を目指してまいります。

中小企業を取り巻く環境は不透明かつ複雑になってきており、絶えず変化しております。私たちもそのような環境に対して柔軟さとしなやかな強さを持ち、社員一同、一層の努力を重ねてまいる所存です。

 

最後になりましたが、皆様のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。

本年も何卒よろしくお願い申し上げます。

 

敬具

 

令和七年一月吉日

株式会社フラッグシップ経営

代表取締役 長尾 康行

2024.12.13

  • 経営改善
  • 経営者の姿勢

小さな成功体験の積み重ね

こんにちは、ビジネスアナリストの社内です。

 

最近「一倉定の社長学(作間信司、2019)」を読みました。

本著作の内容のうち、「シンデレラの発見」という言葉が心に残ったので、ご紹介します。

 

シンデレラの発見とは、お客様のニーズはどこにあるのか、「お客様がお金を払ってくれている事実」を先入観なしに見て

ヒントを得ること、そしてヒントから行動に移していくと、新たな発見があるということです。

 

私がご支援に携わっている食品卸売業の事業者様は、全国各地の料亭に高級食材を販売しておられます。

しかし、長年の間、売上が低迷しており悩んでおられました。

その際、弊社代表の長尾が事業者様に申し上げたことは、

ただ漠然と悩むのではなく、市場を見ることと、行動を起こすことでした。

 

市場にはよりよい食材を使って付加価値を高めたい料亭がたくさんいます。

そこで、全国の料亭へDMを送ってみたところ、喜ばしいことに各地から問い合わせや発注がありました。

長年売上が下がるばかりで悩んでいた事業者様も、

自分の商品の市場価値が高いことを再発見でき、自信と元気を取り戻された様子でした。

さらなる販路の拡大に前向きに取り組むことができそうです。

 

売上額としてはほんの少額で、目標の1%にも及ばないかもしれません。しかし、そのほんの少しがすべての始まりだと思います。

 

本作には、成功の決め手の一つは「足元に未来に繋がる芽がないか」、

「小規模であってもお客様が支持してくれる芽がないかを丹念に探してみること」であると書かれています。

 

もし今、業績に悩んでいらっしゃるなら、無駄だと決めつけずに、小さなことから試してみるのはいかがでしょうか。

 

社内 愛里

2024.12.06

  • 経営改善

従業員の危機意識の低さに悩む経営者

 

こんにちは。中小企業診断士の谷です。

経営改善の現場で経営者の方々とお話をしていると、「従業員に危機意識がない」とのご相談をいただくことがあります。
この状況は、多くの中小企業が抱える共通の悩みであり、解消が難しい課題でもあります。

この課題の本質は、多くの場合「視座の違い」にあると感じます。
経営者の視点と従業員の視点が大きく異なっているため、同じ状況を見ていてもその受け止め方が全く違うのです。
さらに細かく見ると、管理職と一般職、正社員とパート社員など、それぞれの立場によって視座は異なります。

それを表現したのが下の図です。

経営者は上空10,000メートルの高さからジェット機のスピードで物事を考え、会社全体の進むべき方向を見極めています。
一方、現場の従業員は地上を徒歩で歩きながら、目の前の業務に集中しています。
この違いは、あたかも同じ地図を見ているようで実際には違う景色を見ているようなものです。

 

経営者からすると、遠く先に巨大な積乱雲が迫っているのが見えているため、危機感を抱くのは当然です。
しかし、従業員にはその雲は見えず、目の前の道が晴れているようにしか感じられません。
この「見ている景色の違い」が、経営者にとってはストレスの原因となります。

 

危機感を共有するために経営者が「危機意識を持て」「変化しなければいけない」と繰り返しても、従業員の心にはなかなか響かないことが多いです。
かといって、悪化している経営状況や赤字決算書を詳細に公開してしまうと、逆に従業員の不安を煽り、離職リスクが高まる可能性があります。
また、交際費や役員報酬といった情報が明らかになることで従業員の反発を招くリスクも考えられます。

 

この問題を解消するには、「視座を合わせる」ための工夫が必要です。
具体的には、以下のようなアプローチが考えられます。

 

  • 優秀な従業員に役職を付け、視座を引き上げる
    リーダーや管理職としての役割を与えることで、従業員の視座を高め、経営者に近い目線で考えられるようにする方法です。

 

  • 経営者が従業員の目線に合わせて動機づける
    現場の目線に立ち、一緒に課題を共有しながら進めることで、従業員が危機感を自分事として感じられるようにします。

 

  • 認識を合わせるための「地図」を作る
    経営方針書、事業計画、行動計画(アクションプラン)といった「地図」を作成し、全員が同じ方向を目指すための共通認識を形成します。

 

特に3つ目の「地図」の作成は非常に効果的です。
重要なのは、経営者が一人で作り上げるのではなく、現場の意見を収集しながら、一緒に作成することです。
計画の作成プロセスを共有することで、従業員もその地図に対して主体的に取り組むようになります。
地図作りの際には、いくつかのポイントがあります。

たとえば、事業計画書では人件費を1行でまとめる、粗利益までの簡素な計画にするなど、細かすぎずわかりやすい内容にすることが大切です。
行動計画では、5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように)の視点やSMARTの法則(具体的・測定可能・達成可能・関連性がある・期限がある)の基準で計画を立てると、実行可能性が高まります。

 

詳細な計画書の作成方法については、別の記事でご紹介します。

 

同じような悩みをお持ちの経営者の方は、ぜひお気軽にご相談ください。

中小企業診断士 谷 七音

2024.11.30

  • 経営改善
  • 経営者の姿勢
  • 資金調達

赤字会社の共通項

皆さん、こんにちは。フラッグシップ経営代表、中小企業診断士の長尾です。

 

11月は出張も多く、非常に多忙でした。

 

大阪を拠点にしながら仙台、京都、岡山、山口、和歌山、福井、三重、東京と主に経営改善支援で各地を行脚してきました。

 

案件の多くはすでにリスケジュール(元本返済の減額または猶予)をしている、もしくはまもなくリスケジュールを行う支援先様で、財務状態が相当程度に毀損されています。

 

業種も規模も様々ですが、財務状態が著しく毀損されている会社の特徴は驚くほど似通っています。

 

私が経営改善の最前線で見てきた経営改善が必要な会社の共通項をいくつかご紹介しましょう。

 

 

1.過剰債務

慢性的な赤字に対して収益性の改善に取り組まず、金融機関から借りることで何とか資金を繋いできたパターンです。特にコロナ融資は満額借りた会社ほど、負債額だけが大幅に増加しています。融資が難しくなると次はリースバックやファクタリングなど限界まで資金調達に奔走し、どうにもこうにも行かなくなってから事の重大性に気づきます。

 

 

2.判断の遅さ

例えば新規開拓営業、値上げ交渉、経費の削減など、すぐに着手しなければならない事案であってもとにかく行動が遅いパターンです。様子を見る、今期はこのままで、業界の慣習だから・・・などの言い訳ばかりで行動に移すまでに数ヶ月もしくは数年を要するケースもあります。

 

 

3.行動量の少なさ

何か新しい取り組みを行う時、赤字体質の会社は1度行動を起こして結果が出なければすぐにやめてしまいます。例えばSNSやHPの更新などです。ビジネスの世界ではすぐに結果が出ないことが多く、継続性が要求されます。経費の削減など即効性のある取り組みも重要ですが、同時に中長期的な飯の種を蒔かなければなりません。しかし、赤字体質の会社には継続性が全くなく、諦めるのが早い傾向にあります。

 

4.外部環境に原因を求める

自社の弱みにフォーカスするのではなく、外部環境に自社の赤字の要因を求めてしまいます。自社の弱みに向き合わず、経営改善から逃げ、時間だけが経過してしまいます。

 

他にもありますが、上記4つの項目は経営状況の悪い会社の多くに共通する特徴です。

 

皆様も一つでも自社に当てはまる場合は、必ず考え方を改めてください。

 

中小企業を取り巻く環境は決して優しいものではありません。

 

経営に対して真摯に取り組む姿勢、結果やプロセスにこだわる姿勢は常に持ち続けましょう。

2024.11.29

  • 経営者の姿勢

勝ち癖をつける

こんにちは、中小企業診断士の杉本です。

 

私たちは、日々様々な場面で行動をする・しないの選択を迫られています。

例えば、朝目覚ましが鳴った際にそのまま起きるのか2度寝をするのか、健康のために始めた30分のウォーキングを雨が降っている今日もするのかしないのか、マイホームを購入するのかしないのか等、些細なことから人生の大きなイベントまで、行動のする・しないの選択が発生しています。

 

経営改善の現場では、立案したアクションプランを行動に移せるかどうかが重要であり、経営者にはアクションプランを実行するかしないかの選択が目の前に存在します。

 

しかし、誰しも取り組んだ方がいいと思っているものの、実際には面倒に感じたり、面と向かって取り組むことに恥ずかしさや照れを感じたり、先が見えない中アクションプランに取り組むことで本当に改善されるのかと疑問や怖さを感じて行動に移せない経営者の方が多く存在します。

 

こういった行動を妨げる感情が生じるたびに、個人や会社の人生に行動する・しないの分岐点が発生します。

 

行動を妨げる面倒くささや照れ、怖さ等の感情に勝つことで勝ち癖が付き、負けることで負け癖が付いて行きます。

 

1回の負けは1回ですが、負けが5回続けば5回勝ち続けた時との差は大きく開きます。これが、負け癖が付くことで10回、100回、365回と負け続けば、ちょっとやそっとでは取り返せないほどの差が生まれ、経営改善においては手遅れの状況に追い込まれてしまいます。

 

勝ち続けることで、人や会社の未来は必ず良いものになります。

 

「面倒だな」「まぁいいか」が頭を過った際は、一度状況を冷静に俯瞰し、勝ち続けた時と負け続けた時の自分(会社)を比較することで負の感情に打ち勝ち、勝ち癖をつけていただければと思います。

 

中小企業診断士 杉本貴弘