ポジショニングマップで自社の立ち位置を確認する
こんにちは、中小企業診断士の杉本です。
中小企業が日々繰り広げられる激しい市場競争の中で生き残っていくには、漠然と大企業を相手に価格競争をしていても勝ち目はありません。市場の中で自社の明確なポジションを確立することが重要です。
ポジション確立の前段階として、市場での自社の立ち位置を確認するのに有効なツールが「ポジショニングマップ」です。
ポジショニングマップは、縦軸と横軸に異なる属性(「価格」や「品質」など)を設定し、競合他社と比較して自社の製品やサービスがどこに位置するのかを示す図表です。
ポジショニングマップを使うことで、自社がどのようなポジションにいるかを視覚的に確認し、どのような差別化ポイントが求められるのかが明らかになります。
また、新商品の開発やサービスの改善においては、今後どの方向(ポジション)に進むべきかを考える際に役立ちます。
競合が数多くひしめき合っているポジションから、競合の存在しない空白のポジションに進出することで、競争を回避することができます。(顧客がいないために空白になっているケースもあるので注意が必要)
自社のポジションに応じて、誰に何を訴求するかといったブランデクイングの方向性も見えてきます。低価格でありながら質が高いといった「お得感」を打ち出すことや、高価格だが拘りぬいた材料を用いた製品により「コアなファン」をターゲットするなど、低価格路線に走りがちな戦略を見直すきっかけとなります。
具体的なポジショニングマップの作り方は次の通りです。
①軸を決める
自社の製品やサービスの特徴や差別化ポイントを考慮して、縦軸と横軸を設定します。たとえば、「価格」と「品質」や「手軽さ」と「デザイン性」など、業界や市場に適した軸を選びます。
②競合の配置
自社と競合他社の製品やサービスを評価し、マップ上に配置します。たとえば、A社が高価格で高品質な商品を提供している場合は右上に配置し、自社が中価格・中品質なら中央に配置するなど、一目見てポジションがわかるように表示します。
③自社の位置を確認する
マップ上で自社の位置を確認し、競合との差異や優位性がどういった点にあるのかを考えます。また、ポジショニングマップをもとに差別化の方向性の検討や具体的な行動を計画します。
ポジショニングマップは、企業の今後の戦略の方向性を考える上で非常に有効なツールです。経営改善においても、企業の現在の立ち位置を確認し改善の方向性を探る際に用いります。
市場での優位性を強化し顧客にとって価値ある存在となるために、ぜひポジショニングマップを作成し、活用して頂ければと思います。
中小企業診断士 杉本貴弘