2024.05.13

  • 経営者の姿勢
  • 資金繰り

資金調達に会社の運命の全てを託すな

フラッグシップ経営代表、中小企業診断士の長尾です。

 

弊社に相談に来られる案件の内、「資金調達」を希望されるケースが3割から4割程度あります。

 

単に資金調達を希望するのであればメインバンクや取引銀行に相談すれば済む話なのですが、なぜ弊社にご相談に来られるのでしょうか。

 

そうです、皆様のご想像の通り、取引金融機関から資金調達を断られて、資金ショートの危険性をようやく理解したためです。

 

目先の資金ショートを回避するために、どうしても資金が必要という状況でご相談に来られるのですが、そうしたケースのほとんどが「資金調達はできない」状態です。

 

メインバンクや他の取引金融機関に断られているというのは表面的な事象で、話を聞きますと色々出てきます。

 

  • すでにリスケしている
  • 債務超過である
  • 税金を滞納している
  • ファクタリングを活用している
  • 代表者個人も消費者金融から借入がある
  • その他もろもろ・・・

 

貸す側からすると「融資を絶対にしたくない」と思ってしまう条件が全部盛りの状態ですので、そもそも資金調達を望むことが間違っています。

(よく、資金調達コンサルタントと名乗る専門家が資金調達に奔走し、調達をしたという話を聞きますが、真っ当な会社であれば金融機関がきちんと対応してくれます。資金調達に外部専門家を活用するということ自体が非常に怪しく、粉飾や金融機関を欺く資料を作成し、半ば強引に資金調達をして後で問題になるケースが多いのが実態です。)

 

私は経営者の方々には「資金調達の可否が自分の会社の運命を握っている状態」は絶対に作らないでくださいと強く伝えています。

 

まずは、しっかりと利益が出る体制になるよう全身全霊で取り組む。

 

何をおいても黒字化。

 

少しの黒字ではなく、営業利益率10%以上の黒字化を目指す。

 

営業利益でしっかりとプラスになるよう、固定費の削減、利益率の改善、新規顧客の開拓、既存取引先のシェアアップなどを不退転の気持ちで取り組む。

 

とはいえ、黒字化には時間がかかりますので資金ショートを回避するために換金できそうな資産はすべて現金に換える(車、有価証券、会員権、保険など)、売掛先に入金を速めていただくように依頼する、買掛先に支払いの猶予を申し出る、その他にも親族から借りるなど、目先の資金ショートの対策もアドバイスはします。

 

資金ショート回避のために金融機関からの資金調達にすべてを託すのではなく、経営者が「今自分がすべきこと」をしましょう。

 

また、赤字を借入で補填するという「悪い癖」が骨の髄までしみ込んでいる経営者が本当に多いですが、その考え方を根本から改めなければ、その経営者にも会社にも未来はありません。

 

借入に依存するのではなく、「商売で稼ぐ=お客様に喜んでもらう」というビジネスの原理原則を思い出してください。

 

借入に依存した経営はお客様から評価されていない証拠です。

 

資金調達に会社の全ての運命を託すような経営とは決別し、お客様に喜んでいただく価値を提供し、収益性の高い会社を目指す。

 

弊社はそのような気持ちをもった経営者と伴走したいと考えています。

2023.11.01

  • 経営改善
  • 経営者の姿勢

経営を学び、地道な改善を継続しろ

皆様、こんにちは。フラッグシップ経営の長尾です。めっきり朝晩は涼しく(肌寒く)なってきましたね。

 

 

一方で日中は25度を超える夏日になるなど服装も難しい季節でもあります。体調を壊しやすい季節なので、皆様もお気を付けください。体調管理も仕事です。

 

 

さて、今回のコラムのタイトルがやや強く、ここからも私の性格を垣間見ることができますね。

 

 

夏過ぎから資金繰りに窮する企業様の相談件数が飛躍的に増加し、「※経営改善計画策定支援事業」を活用しながら1社ずつ寄り添って支援をしているところでございます。

 

※経営改善計画策定支援事業とは・・・

 

 

しかし、経営改善支援の最前線に立つたびに思うのですが、中小企業の経営者は本当に利益を出す気があるのかと怒りたくなります。

 

 

言い訳のすべてが外部環境で、経営者として学ぶべきことも一切学ばずにただ目の前の仕事をこなしています。

 

 

経営の勉強をするか、経営者をやめるかのどちらかの選択をしないと、従業員や取引先が不幸になるとは少し言い過ぎでしょうか。

 

 

ですが、業績を改善したいのであれば下記のことを最低限学ぶべきですし、自社の状況について把握すべきです。

(他にもまだ学ぶべきことは沢山ありますがまずは業績改善という意味で)

 

 

・利益率や利幅

・損益分岐点

・売上アップ4つの方法(顧客数を増やす、平均取引量のアップ、購買頻度のアップ、単価アップ)

・価格設定

・固定費(販売費及び一般管理費)の最小化

・資金繰り、キャッシュサイクルのメカニズム

・レバレッジ(2%の金利で資金調達したなら2%以上の利益を出さなければならない)

・サンクコスト

 

 

各項目についての説明はまたの機会に譲りますが、センスがないのにセンスで経営して負ける経営者が多すぎるので、地道に学ぶ習慣をつけた経営者が勝つということをお伝えしたいです。

 

 

中小企業には厳しい外部環境が続くことは百も承知ですが、だからこそ勉強した企業が勝ちます。

 

 

また、大きな話に食いつくのではなく、地道に勉強しながら実践に落とし込むことが劇的な成果を得ることができる最短ルートだということを肝に銘じましょう。

 

 

1日1%の改善を70日続ければ2倍になります。

(1×1.01×1.01・・・を70回Excelでやってみてください)

 

ほんの小さな穴でも船が沈むことを忘れないでください。

 

「偉そうに」と思われるかもしれませんが、私自身は経営者になってからその姿勢を貫いており、この人になら偉そうに言われても仕方がないという決算内容になっています。

 

わが社の決算書を見たい、わが社と学びたいという経営者や企業様はいつでも歓迎いたします。

 

年末が近づくにつれ、気が緩みがちになりますが、気を引き締めて経営に向き合っていきましょう。