2023.04.19

  • 経営改善
  • 資金繰り

売上アップの考え方

中小企業診断士の長尾です。私は経営コンサルタントとして日々業務にあたっていますが、一方で経営者でもあります。経営者としては自社の業績アップや組織の構築などに取り組んでいます。
中小企業診断士として経営コンサルティング業務を行なっている以上、戦略的に事業の拡大を行なっています。特に私はマーケティングの分野が好きなので、このジャンルの本をよく読みます。私が師事しているのはジェイ・エイブラハムというアメリカのマーケッターです。ジェイの教えはセミナー等でもよく取り上げられるのでご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、大企業ではなく中小企業でも取り組めることがたくさんありますので、実践的で参考になることばかりです。
特に私がジェイのマーケット理論を勉強して、意識しているのはパルテノン戦略です。
パルテノン戦略とは「集客するチャネルを複数持ち、経営を安定させる(売上を伸ばす)」という考え方です。
製造業に多いのですが売上の80%や90%を1社に依存しているということがあります。また、製造業でなくとも集客チャネルが紹介だけという商売をしている方もいらっしゃると思います。
パルテノン戦略ではとにかく集客の柱を複数持つことが会社経営にとっては非常に重要だということを説いています。紹介だけに依存するのではなく、ホームページ、SNS、口コミ、DM、キーワード広告、など複数の集客チャネルから集客する仕組みを構築することが経営の安定や売上アップにつながるということですね。
このパルテノン戦略の話もそうなのですが、マーケティングの話をさせていただくと、拒否反応を示す経営者が意外と多いです。
「うちの会社には向いてないから」「業界的にSNSは・・・」などと理由をつけます。このようなことを言う経営者に限って、業績が悪化した時に新規開拓を慌てて行うのですが、集客チャネルが1種類であるため、途方もない時間を使ってはみるものの結果が出ないという結末になります。
一度に複数の集客チャネルを構築するのは無理がありますので、1つずつでも構いません。売上に直結するチャネルを増やしていくことに取り組んでください。

2023.04.19

  • 経営改善

経営の原理原則

中小企業診断士の長尾です。
赤字体質や資金繰りに苦しんでいる企業様のご支援を多くさせていただいているのですが、経営には正解がなく、経営者の考え方も異なりますので支援をする側も難しく考えてしまう時があります。
もちろん、経営者の方も足元の業況が悪くなると、起こっている問題を複雑に考えたり、見当違いな対策を講じたりすることもあります。
こうした時は原理原則に立ち戻るということが何より大事です。
言われてみれば、当たり前のことなのですが、目の前の状況が悪化すると基本に立ち返るということがなかなか難しいのです。
しかし、経営の原理原則とはどういうことをいうのでしょうか。これもまた正解がないことですが、私は「お客様や取引先様のお困りごとの解決やニーズに応えることで喜んでいただく」ということに尽きるのではと思うのです。
しかし、業績が良い時や資金繰りに余裕がある時は、いただいている仕事に対しての感謝が薄れることが多く、無意識にお客様のことを考えず自社の都合だけを優先して仕事をしてしまうことがあります。
また、すぐに目先の売上や利益に飛びついてしまうこともよくやることです。しかし、厳しく申し上げるなら、赤字になってしまった原因はお客様が離れていってしまったからです。お客様の状況を考えずに、自社都合で動いてきた結果だと受け止めるべきでしょう。
その上で、お客様が何に困り、何を解決して欲しいかをしっかりとヒアリングし、自社でできることを提案することがとても重要で注力しなければならないことです。
売上が欲しい、利益が欲しいのであれば自社の中で問題を探すのではなく、お客様のお困りごとを解決しようとする取り組みをしっかりと行うことが経営の原理原則なのではと思います。そこに、利益を含めた経営の正解が含まれているような気がします。

2023.04.19

  • 事業再生

中小企業の再生支援が加速する見込み

中小企業診断士の長尾です。この夏から新型コロナの緊急融資である、いわゆるゼロゼロ融資の返済が本格化し、多くの中小企業の資金繰りが圧迫されると予想されています。
最近のデータではゼロゼロ融資残高は56兆円となっていますが、長らく事業再生の現場に身を置いてきた者からすると、この莫大な債務の返済が予定通り行われると考えることは難しいと言わざるを得ません。
政府は新制度の借り換えや日本政策金融公庫の低利商品や資本性劣後ローンの活用などを促しているものの、金融機関もリスクのある融資は控える傾向にありますので、多くの中小企業は資金繰りの悪化に耐えきれず・・・といったケースが急激に増加すると予想しています。リーマンショックの際にも多くの経営改善支援を行ってきましたが、企業側はとにかく資金繰りを最優先にした意思決定をすることです。

具体的には借り換えや新規融資が断られた場合は、すぐに元本返済猶予の依頼を行い、リスケすることです。リスケに対して懐疑的な見方をする方もいますが、会社の利益から元本返済ができる企業などほとんど存在していませんので、借り換えや調達による金融支援が受けられないとなった際にはリスケによって資金流出のスピードを遅らせる必要があるのです。

また、これを機に経営者や経営幹部は自社の状況をしっかりと見直す機械にしていただければと思います。安易にゼロゼロ融資を活用し、資金繰りに余裕ができたことで収益性の改善等に取り組まなかったため、資金が底をついてから慌てて相談に来るというケースも何件もありました。

経営に対して真摯に向き合い、全社をあげて改善に取り組むのか、旧態依然のスタンスを貫き通すのかで、出口は大きく異なります。

経営者の方にはぜひ正しい判断を下すことを切に望みます。