リスケ状態から間もなく脱する2社の事例
皆さん、こんにちは。株式会社フラッグシップ経営代表、中小企業診断士の長尾です。
新型コロナ融資の返済がこの夏から本格化するということもあり、弊社にも多くの資金繰りに関する相談が寄せられています。
赤字を借入金で補い、その間に経営改善を行ってこなかった会社は今後、過剰債務と赤字、物価高の三重苦との戦いになるでしょう。
現実的には元本返済ゼロのリスケを要請し、その間に経営改善を行うことになるケースがほとんどかと思いますが、経営改善に耐えうる余力があるのか、また経営者にその覚悟があるのかがその企業が生き残るのかそうでないかの分かれ目かと思います。
一方で弊社が過去に経営改善計画を策定し、リスケジュールの支援を行った先を2社訪問してきましたが、2社共に経営改善に取り組んでいただけていました。
1社目・・・縫製工場
加工単価が低く、利益が出にくい費用構造になっていた。外国人技能実習生を数多く採用し、単価よりも受注量を確保することで収益を確保しようとしていたが、元本返済までカバーできずリスケジュールの要請を行った。(今から3年前です)
経営改善計画では受注量よりも加工単価の向上を重視し、価格交渉を行うことや外国人技能実習生の教育を行い、検品は日本人が対応することなどを盛り込みました。取り組んだ結果が数字として出てきたので、この7月までに新計画を完成させ、バンクミーティングを経てリスケ状態から抜ける予定です。
2社目・・・子供服販売
複数店舗を運営されていたが、収益の改善が見込むことのできない不採算店舗は閉鎖し、4店舗から2店舗へと事業規模を縮小しました。過剰在庫もセールやネット販売で現金化するなどを経営改善計画に盛り込みました。(こちらも今から3年前です)
現在は店舗数が半分になったにもかかわらず、4店舗あった時の売上に近い水準まで売り上げを増加させた。固定費の削減や利益率の改善も相まって、収益性を大幅に改善することに成功しました。1社目と同様に新計画を策定し、こちらも7月にはバンクミーティングを行い、リスケ状態から抜け出す予定です。
この2社様は経営改善計画書の内容に対して真摯に向き合っていた(自分が率先して現場に出るだけでなく、営業や仕入れ等も責任をもってやっていた)結果が出たのだと思います。
今現在、経営や資金繰りに苦しんでいる事業者様も大勢いらっしゃるかと思いますが、我々のような専門家と一緒に、覚悟をもって真剣に経営に取り組んでいけば道は開けるということを強く想ってください
「まだいけるだろう」「また、融資を受ければ何とかなるだろう」ではなく、自分の力で業績を改善させる、利益を出すという覚悟や情熱、行動力をもって難局を乗り切っていただければと思います。
私どもにも経営改善のノウハウは多数ございますので、何なりとご相談ください。