経営改善がうまくいかない事例を見て思うこと
こんにちは。中小企業診断士の谷です。
経営改善がうまく進まない事例を見ていると、ただ計画を立てたり、金融機関と交渉したり、コスト削減策を打ち出すだけでは不十分だと感じます。
金融機関は、外部専門家を活用して、効率的な改善を進めたいと考えます。
しかし、経営者側は、そのサポートに対する費用負担を嫌がり、改善計画を「金融機関からの要求」として受け取ることが多く、真剣に取り組む意欲が低いことがあります。
その結果、計画は単なる形式的な書類として終わってしまいます。
このような事例を見ていると、経営改善の取組には、まずは経営者との信頼関係を築き、経営に対する真剣な思いを共有することが必要であると常々感じるようになりました。
多くの場合、計画の内容や技術的な改善策に焦点が当たりますが、実際のところ、経営者自身が改善に対する強い意欲を持たなければ、どんなに優れた計画でも実行に移されることはありません。
一方で、経営改善の成功事例を見ると、その鍵となったのは、経営者の皆さまが自らの意志で、主体的に改善に取り組む姿勢を持たれたことです。
私たちが提案する改善策は、あくまで皆さまの思いや目標を実現するための手段であり、押し付けられるべきものではありません。どんなに優れた計画でも、経営者の皆さまが納得し、心から「やってみよう」と思えるものでなければ実行に移されることはありません。
したがって、私はまず皆さまのお話をじっくりと伺い、どんな思いで事業を続けてきたのか、どんな未来を描いておられるのか、その気持ちを膝を突き合わせ、共有することを大切にしたいと思います。
そして、我々がどのようにお手伝いできるのかを一緒に考えていきたいです。
経営改善は、決して一朝一夕で成し遂げられるものではありません。
日々の業務の中で直面する数々の課題を乗り越えながら、少しずつ前進していくものです。
経営者の皆さまの情熱や覚悟を引き出し、それを実現するためのサポートをさせて頂ければと思います。
どんな些細なことでも構いません。まずは、皆さまの思いをお聞かせください。
そこから、経営改善の第一歩が始められれば思います。
中小企業診断士 谷 七音