CCCを見直しましょう。
こんにちは、ビジネスアナリストの社内です。
CCCとは、キャッシュ・コンバージョン・サイクルの略です。
企業が商品や原材料の仕入れなどによって投入した現金を、実際の現金収入によって回収するまでの期間を示す財務指標です。
つまり、CCCは企業の資金回転サイクルの効率性を意味しています。
このCCCが長いほど、資金を回収するまでの期間を要し、資金繰りが苦しくなりやすいです。
そのため、資金に余裕のない企業ほど、CCCを見直す必要があります。今回は、CCCを短期的に短くする方法を2つ紹介します。
1.受取サイトの短縮化を交渉する
受取サイトとは、お客様から受けた売上債権が実際に入金されるまでの期間を指します。
資金繰りが苦しい会社にとっては、受取サイトは短い方が良いです。
<交渉の例>
- 手形取引ではなく、債券取引・現金取引を目指す
手形取引は、売上債権による取引に比べ、サイトが長期化する傾向にあります。
中小企業庁では、2026年度末の手形の利用廃止に向けた取り組みを進めています。
この情勢に乗って、手形から売上債権や電子記録債権、現金取引への移行を目指した交渉に取り組んでいきましょう。
また、100%手形支払いを半手半金(手形と現金が50%ずつ)にしてもらうなど工夫した提案も有効です。
- 前払金を納めてもらう
大型設備の生産や工事を伴う受注である場合、一般にCCCは長期化します。
受取サイト自体を短くできなくても、一部仕入費用に対する前払金を納めてもらうことも資金繰りに有効な策です。
2.支払サイトの延長を交渉する
支払サイトは仕入先や外注先に対する仕入債務や振り出した手形の支払期日を指します。
資金繰りが苦しい会社にとっては、支払サイトは長い方が好ましいです。
<交渉の例>
- 一時的な延長措置をお願いする
3か月程度であれば支払サイトの延長を取引先に受け入れてもらいやすいです。
支払期限が到来してから依頼すると、仕入先の信頼を損ねる恐れがあります。また、仕入先の資金繰りにも支障をきたしかねません。前持った交渉が大切です。
- 取引先を増やす
仕入先を複数持ち一社に対する依存度が低い方が、取引条件において自社が優位になりやすいです。
そうすることで、支払サイトの条件の交渉を飲んでもらいやすくなります。
ただし、無理な受取サイトの短縮、支払サイトの延長は取引先との関係性の悪化を招きかねません。
業界内の一般的なサイト期間からかけ離れないように気を付けましょう。
特に、下請け企業に対する支払サイトは、下請代金支払遅延等防止法など法的規制もあり、注意が必要です。
ビジネスアナリスト 社内 愛里