課題を緩和課題と根治課題に分けて経営改善に取り組む

こんにちは、中小企業診断士の木戸です。
経営改善に必要な課題には、解決策が明確に分かっており、今ある経営資源で解決できるものもあれば、企業の置かれている環境や企業内外の関係性を変更しなければならない、新たな知識や技術、ノウハウを導入しなければ解決できない課題があります。
これらの課題の解決に時間軸を加えて、優先順位を付けていく考え方があります。短期的に素早く解決するべき課題を『緩和課題』、長期的にゆっくりと解決していく課題を『根治課題』と言います。
- 緩和課題
目の前の問題やリスクを「一時的に軽減・回避すること」を目的とした課題。発生した事象への対処が中心。 - 根治課題
問題の「根本原因を特定し、構造的に解消すること」を目的とした課題。仕組みや制度そのものの変更、変革が中心。
緩和課題の特徴は「応急処置的」、「短期的な効果」、「症状の緩和に焦点」などであり、例えば『クレームが増加している➡対応マニュアルを作成、改定する』、『離職率が増加している➡給与体系や福利厚生を改善する』などです。
一方で、根治課題の特徴は「根本的な解決に焦点」、「中長期視点でのアプローチ」、「本質的な変革・改革が必要」などであり、例えば『クレームが増加している➡サービス提供プロセスやサービス内容そのものの見直し』、『離職率が増加している➡組織文化や職場環境の再構築』などです。
これらの使い分けですが、時間軸(短期OR中長期)だけでなく、課題の対象(表面的OR根本的)、期待する効果(一時的OR持続的)も含めて、判断していきます。
また、緩和措置だけでは、再発リスクが強く、根治措置には、時間面、投資面でのコスト負担が大きいことが多いことにも留意しなければなりません。
これらの課題を段階的、戦略的に組み合わせることで、経営改善に取り組んでいきましょう。
中小企業診断士 木戸貴也