2024.10.23

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決算書と経営者の関係

皆さん、こんにちは。フラッグシップ経営の長尾です。

最近は新規の経営改善案件が立て続けに来ており、毎日、決算書を拝見しています。

 

実は決算書には経営者の性格が反映されており、決算書を見ただけで経営者と会わなくてもどんな考え方をしているかはイメージできます。

また、逆もしかりで決算書を見なくても経営者と話をしているだけで、決算書はこうなっているだろうなとイメージすることもできます。

 

今回は経営改善の最前線に立つ私が自信をもってお伝えする「決算書と経営者の関係」をご紹介しましょう。悪い事例ばかりですので、読者の皆さんはその逆をしていただきたく思います。

 

【その1】貸借対照表の資産の部が三角形やひし形になっている場合は経営者の性格は見栄っ張りでプライドが高い

【解説】

資産の部が三角形(△)ということは現預金や売掛金などの「流動資産」が小さく、「固定資産」や「投資その他の資産」が大きいことを意味します。ひし形(◇)は「流動資産」と「投資その他も資産」が小さく「有形固定資産」が大きいことを示しています。

要は、お金がないにもかかわらず、派手な車や会員制リゾートなどを買っているということです。堅実な経営者は資産の部が逆三角形(▽)になっています。つまり現預金が大きく、本業に注力しているので売掛金も大きいということです。資産の部の形状を見れば経営者の性格が分かります。

 

 

【その2】「節税のために○○している」とすぐに口に出す経営者は過去にも節税するほど利益を出したことがない。そのため自己資本比率が低いか債務超過である。

【解説】

「節税する」ということは「利益が出て仕方がないので何か考えないといけない」ということだと思うのですが、そんな経営者は極めて少数です。実際のところ、すぐに「節税のために○○している」という経営者は節税を考えるほど利益を出したことはありません。そればかりか節税しているとアピールする割には資金繰りが忙しいです。また、節税対策の中身は自分の私腹を肥やすための取り組みで、実は節税しない方が運転資金は残っていたケースがほとんどです。また、節税アピールする人は資金調達に追われているため、保証協会の制度や金融機関の顔色などに神経を使っています。「節税」というワードが出た瞬間に運転資金に忙しい人と認識して間違いないですし、実際に運転資金は極めて少ないです。

 

 

【その3】「コロナで大変だった。コロナ以降、赤字で苦しんでいる」という経営者はそれ以上にコロナ融資で助かっていることが多い。また、過去10か年の決算を確認するとコロナ前から赤字体質である。

【解説】

「コロナで経営が狂った」という経営者も一定数います。しかし、それ以上にコロナ融資を満額受けたおかげで、内心「助かった」と思っています。コロナがなければ融資は絶対に受けることができなかった企業は相当数あります。また、コロナ前から赤字体質の経営者に限って、「コロナのせいで・・」と責任転嫁します。とにかくコロナを言い訳にする会社の決算書は、コロナ以前から赤字です。

 

 

いかがでしょうか。

決めつけることは当然できませんが、傾向という意味では的を外していません。

少なくとも私が支援をしているケースではほぼ当てはまります。

 

決算書は経営者の通信簿ですし、数字は背景を語ってくれます。

 

会社経営をする者にとっては何を言おうが、言い訳しようが結果がすべてです。

私も利益が出れば役員報酬を上げますし、赤字であれば下げます。

 

決算書をよくするために働くわけではないですが、自分たちのビジネスを定量的かつ客観的に評価できるのは決算書しかありませんので、経営者自身の判断が決算書にどのようなインパクトを与えるかは考えて意思決定しましょう。

 

それでは、また次回です。