収益改善に取り組む第一歩「相乗積」とは?
こんにちは、ビジネスアナリストの社内です。
もう何カ月も営業赤字が続いている…そのような状況の時、まず事業者が取り組むべきことは「現状把握」です。
今回は現状把握のツールの一つとして、相乗積をご紹介します。
<相乗積>
相乗積とは、事業のカテゴリーや商品群ごとの利益貢献度を表す指標です。
売上の貢献度(売上構成比)と利益の貢献度(利益率)から算出されます。
『相乗積=各カテゴリー・商品群の売上構成比×利益率』
高い相乗積を持つカテゴリーや商品群は、全体の利益に大きく貢献していることを意味します。
<スーパーマーケットA店での例>
例えば、スーパーマーケットA店において、精肉、鮮魚、野菜、パンなど各売り場の相乗積を算出してみます。
すると、鮮魚売り場の相乗積が4.42%と最も大きく、一方でパン売り場の相乗積は1.30%と最も低いことが分かりました。
これは、経営が苦しいからとにかく売上を上げようと、社員全員で頑張ってパン売り場の売上を上げていても、全体の利益に与える影響は小さいということです。
一方で、鮮魚品の売上増に伴う全体利益の増加幅は大きいため、同じ労力を割いても、会社全体が受ける影響はより大きなものになります。
鮮魚売り場の面積を広げたり、イベントを開いたりと、店舗が注力すべきカテゴリーが明らかになります。
相乗積はスーパーマーケットなど小売業で用いられることが多いです。
しかし、実は製造業や建設業などあらゆる業界にてご活用いただけるツールです。
たとえば、製造業であっても利益率の高い製品、低い製品は必ずあるはずです。
収益性の改善に取り組む前に相乗積を計算して現状を把握、そして、限られた営業リソース、時間を収益性の高い製品に集中させましょう。
自社の現状が分かれば、自社内の比較だけでなく、競合他社との比較分析にも役立てることができそうです。
一度試してみてはいかがでしょうか。
ビジネスアナリスト 社内 愛里