先代経営者の経営結果を数値で客観的に知りたい
こんにちは、中小企業診断士の木戸です。
中小企業の経営者にとって、最も熱量が高い瞬間の1つは、会社を創業・設立した時なのではないかと思います。
一方で、開業率は長期トレンドで低下しており、新しい企業の経営者になる方よりも事業承継で既存企業の経営者になる方が圧倒的に多いのが現状です。
この事業承継時での後継者の思いは、創業者が創業した時とは異なるものかもしれませんが、代表者が変わるタイミングも経営者の熱量が特に高い瞬間に1つです。
創業時とは違い、事業承継後の新経営者には比較対象となる会社の実績があります。
先代や先々代の実績であり、端的には当時の決算書と比較すると計数面での良し悪しが判断できます(もちろん、各決算期の時代背景の影響もあり、単純に経営者の手腕だけのものでもありませんが)。
事業承継の際、新経営者となる後継者の実子や従業員の方などからは、『先代の経営が良かったのかどうかを数値で知りたい』との要望されることがあります。
ものづくりの技術や取引先との交渉力、新商品の開発力など定性的なことは、一緒に仕事をしている中で理解をされているのですが、経営の結果がどうなのかを気にされているようです。
特に代表的な経営者の成績表は、貸借対照表であり、経営者のクセ、正確、姿勢などが色々な項目に表れます。
ただ、みなさん共通するのは、先代を責めたいとか悪いところを知りたいとか、マイナスな動機ではなく、「どこが良くて、何が足りていないのか」を知り、自分の代で何をしていくべきなのかの1つの判断材料にするというプラスの動機です。
現在の経営状態を客観的に知る方法として、経営診断を受けるという選択肢があります。
経営診断は、公的機関(保証協会とか商工会議所など)で無料、低価格で受けられることもありますし、弊社の様な民間コンサルティング会社へ依頼する方法もあります。
事業承継の準備段階や事業承継後に経営改善に取り組むことは良くあります。
後継者に渡す前に良くしたい、今までよりもっと良くしたいなど思いは様々です。
まずは、現状値を客観的に知ってみることも検討してみてはいかがでしょうか。
中小企業診断士 木戸貴也