2023.04.19

  • 事業再生

中小企業の再生支援が加速する見込み

中小企業診断士の長尾です。この夏から新型コロナの緊急融資である、いわゆるゼロゼロ融資の返済が本格化し、多くの中小企業の資金繰りが圧迫されると予想されています。
最近のデータではゼロゼロ融資残高は56兆円となっていますが、長らく事業再生の現場に身を置いてきた者からすると、この莫大な債務の返済が予定通り行われると考えることは難しいと言わざるを得ません。
政府は新制度の借り換えや日本政策金融公庫の低利商品や資本性劣後ローンの活用などを促しているものの、金融機関もリスクのある融資は控える傾向にありますので、多くの中小企業は資金繰りの悪化に耐えきれず・・・といったケースが急激に増加すると予想しています。リーマンショックの際にも多くの経営改善支援を行ってきましたが、企業側はとにかく資金繰りを最優先にした意思決定をすることです。

具体的には借り換えや新規融資が断られた場合は、すぐに元本返済猶予の依頼を行い、リスケすることです。リスケに対して懐疑的な見方をする方もいますが、会社の利益から元本返済ができる企業などほとんど存在していませんので、借り換えや調達による金融支援が受けられないとなった際にはリスケによって資金流出のスピードを遅らせる必要があるのです。

また、これを機に経営者や経営幹部は自社の状況をしっかりと見直す機械にしていただければと思います。安易にゼロゼロ融資を活用し、資金繰りに余裕ができたことで収益性の改善等に取り組まなかったため、資金が底をついてから慌てて相談に来るというケースも何件もありました。

経営に対して真摯に向き合い、全社をあげて改善に取り組むのか、旧態依然のスタンスを貫き通すのかで、出口は大きく異なります。

経営者の方にはぜひ正しい判断を下すことを切に望みます。