収益構造を理解することで経営者の行動が変わる

こんにちは、中小企業診断士の木戸です。
経営者の多くは、肌感覚で収支がトントンになる売上水準を持たれています。特に創業者の場合は、非常に高い精度で理解されているように感じます。
一方で、決算書や試算表の損益計算書で実際に収支がプラマイゼロの売上を算出している方は非常に少ないです。
実際に、経営改善を進めていく中で、タイミングを見て経営者や幹部社員、後継者の方々と一緒に損益分岐点売上高を算出し、目標利益(借入金の返済も加味して)を達成するための売上高を出していくと現状の売上から30%とか50%くらいの増収がないことには、そもそも収支トントンにならないケースが大半です。
ひどい場合、現状の3倍の売上が理論上必要なケースもあり、現在のビジネスモデルでは到底不可能な状態です。
この現状を把握されると経営者の行動が変わる場合が多いです。
ただ現状を知るだけではあるのですが、例えばダイエットをするのであれば、久しぶりに体重計に乗ったら思っていた以上に体重や体脂肪率が増えており、びっくりすると食事や運動などに自然と気を付けるようなイメージです。
「自社のことだから、経営者の自分が一番理解している」のかもしれませんが、意外と自分のことを客観的に理解できる方は少ないと思いますので、まずは自社の収益構造がどのようになっているのか、何が利益に貢献していて、何が足を引っ張っているのか、どこにどのように手を打てば改善できるのかを知ることだけでもおススメします。
中小企業診断士 木戸貴也